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その昔、某銃器専門月刊誌のライターと、某エアガン専門店での開発、販売を兼務。その後、某出版社に誘われ、エアガン関連ムックの編集に携わる。さらに後、某エアガンメーカーに誘われて入社と、80から90年代にかけて、エアガン業界にどっぷりつかった人生を送るが、ある理由により業界から撤退。
そして2012年、再び鉄砲業界に返り咲き、Gunsmith BATONに入社。充実した日々を過ごす中、2014年には人生初の渡米を果たし、憧れのイチローさんの下で、夢だった実弾射撃をついに体験! もはやこの人生に一片の悔いも無い、52歳の初老ガンマニア。

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2012年08月13日

マルイ電動UZIについて その18 内部構造5

はい、というわけで昨夜の予告通り
頑張って更新いたしました。

ちょっと駆け足になるかと思いますが、
前回の続きを進めて参りましょう。

マルイ電動UZIについて その18 内部構造5

高電圧バッテリーを繋いだため壊れたという
マルイ電動UZIのメカボックスを開いたところ、
セクターギヤが上画像のように破損していました。

では、このギヤと直接噛みあうプッシュロッドの
ラックギヤ部分はどうなっていたかと言うと

マルイ電動UZIについて その18 内部構造5

ご覧の通りまったくの無傷なのです。

ちなみにこのプッシュロッドの先端、
ピストンに設けられたシアーと接触する部分を見ると

マルイ電動UZIについて その18 内部構造5

削れた金属粉とグリスが混ざった汚れは付着しているものの、
大きな傷や変形は生じていませんでした。
ロッドの下面(画像では上)が削れてるのもわかりますね。

さて、高電圧バッテリーを使ったことで
何故セクターギヤがあのような形で壊れたのか。
その理由についてを考察して行きましょう。

過去記事「その15 内部構造2」にて 
詳しくご紹介したように、マルイ電動UZIは
プッシュロッドを介してピストンをコッキングしています。

マルイ電動UZIについて その18 内部構造5
 コッキング開始直前の状態

マルイ電動UZIについて その18 内部構造5
 コッキングが完了し、シアーの開放直前の状態

このコッキング動作自体には何の問題も無いのですが、
ラックギヤと一体になったプッシュロッドが
ピストンから一拍遅れて戻ってくるという部分に
破損の原因があるのです。

マルイ電動UZIについて その18 内部構造5
 ピストンの後退から一拍遅れて…

マルイ電動UZIについて その18 内部構造5
 プッシュロッドが初期位置に戻ります

上のイラストのように、プッシュロッドが初期位置に戻ってから
セクターギヤの歯が回って来るのが正しいタイミングなのですが、
高電圧バッテリーを使用することでモーターの回転数が上がり、
当然ながらセクターギヤの回転も速くなることで
この絶妙なタイミングに狂いが生じるわけですね。

その結果何が起きるかと言うと…

マルイ電動UZIについて その18 内部構造5

通常の速度で戻って来たプッシュロッドのラックギヤを
本来よりも速く回って来たセクターギヤが迎え撃つ形になり、
材質の強度に劣るセクターギヤの歯が潰れることになるのです。

マルイ電動UZIについて その18 内部構造5

と、これはあくまで私の推論に過ぎないのですが、
構造的に考えて、おそらく正解であろうと思います。

ただし、ここで考察した破損に至るプロセスは
フルオートで回した場合に限った話しで、
セミオートの場合はまったく事情が異なります。

これも追って詳しく解説いたしますが、
セミオートの際はセクターギヤの裏面に設けられた突起が
必要なタイミングでカットオフレバーを押し下げ、
スイッチ部分の通電をカットしてくれるので、
セクターギヤがオーバーランをすることはありません。

マルイ電動UZIについて その18 内部構造5

マルイ電動UZIについて その18 内部構造5

つまりセミオートモードで撃つ限りにおいては、
前回使用したイメージカットにあるような
ニッケル水素バッテリーやリポバッテリー。
果てはマルシン電動UZIの検証用に購入した
11.1V800mAhのリポバッテリーを繋いでも、
何の問題も無くキレの良い射撃が楽しめるのです。

実際私自身、今年4月1日に開催された葉隠マッチにおいて、
内部は完全ノーマルのマルイ電動UZIカスタムに
ET1製の7.4V1400mAhのリポバッテリーを繋いで参戦。
終日何の問題も無く戦い切って参りましたからね。

マルイ電動UZIについて その18 内部構造5

マルイ電動UZIについて その18 内部構造5
 2挺ともにET1リポを使用

以上の検証から導き出される答えは以下の通り。

純正以外のバッテリーを使うと壊れるというのは、
フルオートでトリガーを引きっぱなしにした時の話しです。

セミオートで撃つ分にはニッスイでもリポでも大丈夫だし、
かなりの速射をしたところで
構造上そう簡単に壊れることはありません。


マルイ電動UZIについて その18 内部構造5

しかし逆に言えば、
モーターの回転数が上がってしまうと
必ず壊れる構造ということでもあるわけで、
フルオートで撃ちまくりたいという向きには
オススメ出来ない電動ガンであることは確かです。

それと、これはあくまで私見ですが、
純正ニカドバッテリーの使用時においても、
ワンマガジンをフルオートで撃ち切るという使い方は
避けた方が賢明のような気がしますね。

3~4発の指切りバーストで戦うのが、
マルイ電動UZIの正しい使い方だと思います。
な~に、良く当たる銃ですから、全然問題無いでしょう!

でも、いざと言う時にフルオートで弾幕を張れないのでは
サバゲのプライマリーウェポンとしてはちょっとなぁ・・・
とお嘆きの貴兄に、その解決方法もちゃんと用意してあるのですが、
それについてはまた後日、項を改めてご紹介したいと思います。

と、前回と今回に渡って考察いたしました
マルイ電動UZIのバッテリーに関する問題。
皆様のご参考になりましたでしょうか。

使い方によっては純正以外のバッテリーでも
全然問題無く行けるんですよね~。

ただ、最後にひとつ残っている問題点。

4:普通に使っているだけで壊れる


実はこれがマルイ電動UZIの抱える最大の弱点であり、
これを解決しないことには、この素晴らしい名銃のエアガンを
安心してオススメ出来ない現実があるのです。

その真偽のほどと解決方法はいかに・・・!?

といったところで、今回はここまで。
随分長い記事になっちゃいましたが、
皆様ついて来てくださったでしょうかね~(汗)

さて、非常に気になる引っぱり方をしておきながら何ですが、
この後2回ほどマルイ電動UZIの記事をお休みさせていただく予定です。

で、UZI以外の何を書くかと申しますと、
来る8月19日に横浜PCMで開催される
第12回プレートマスターズチャンピオンシップへの
参戦記をお届けしようということなんですよ!

マルイ電動UZIについて その18 内部構造5

前回の不甲斐ない己へのリベンジを果たすべく、
今回も勇躍エントリーしちゃった次第です!

UZIへの愛情には一片の陰りもありませんが、
シューティング無しの人生もまた有り得ません。

前回よりも成長した自分をご披露出来るか、
はたまたコテンパンに打ちのめされて
愚痴を吐露するハメに陥るか(笑)
その結末は神のみぞ知るところであります。

今回は練習もたっぷり出来る環境があるので、
言い訳は一切出来ませんからね~。

マルイ電動UZIについて その18 内部構造5
 上矢ユイさんと並んで撃つ光栄に! 画像は石井名人ブログより拝借 

何しろ思いっきり楽しんで参りますので、
レポートを(結果には期待せずに)お待ちくださいませ!



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この記事へのコメント
UZI記事は相変わらずの徹底ぶりに頭が下がりますm(__)m


自分は日曜日も仕事に行かないと行けないかもしれないのでPMCには参加は出来そうにありません・・・

結果報告を楽しみにしますね(^_^)
Posted by 鯖鯨 at 2012年08月13日 23:04
初めまして。
自分はマルイ電動UZIを三丁所持しています。
マルシンはモデルガンのみ所有ですが
静岡ホビーショウでじかに触れたこととターミネーターでT-800ことシュワルツェネッガーの片手撃ちに魅せられ以来です(ワイルドギースやカリ城も好きですが)
1号は初回ロッドでしたがスプリングの受けフックが折れたのを期にメカボを開けました。
当時、kM企画のTNバレルが発売されていたので入れ替えましたが、修理していないまま実家に死蔵…
以下静岡の地で
2号は閉店セールでメタルフレームを買って在ったので中古屋で不動品を買って載せ替え
3号は部品取りでこれまた中古屋で買いましたがマトモに作動しているので壊れるまで使用することに…
某店の閉店セールではJACのマガジン連結具やアクセスパッケージの実銃用バレルジャケット(映画ゴリラでMP5に着いていた奴)を入手、ついでに9㍉用マグプルでノーマルマガジンドレスアップしてみたり。


UZI関係のブログは希少なので楽しみにしています、いずれは木製ストックにもチャレンジしてみたいです。
Posted by A.Z.D at 2012年08月13日 23:08
出二夢カズヤ様
毎度お世話になります、オヤジGUNです。

マルイUZI篇に突入し、有用な研究結果、および美麗なイラスト等、情熱を痛感すると共に畏敬の念をもって拝見させて頂いております。
蛇足ながら、もしサイクルを落とすならSHSの机モーター等、ハイトルク系は如何でしょうか?燃費にも有効です。
あと抜本的にピストン強度がボトルネックと思いました。
ジュラルミン削り出し等で強度を上げればバネレートも上げられピストン前進スピードも上げられるのでギアクラッシュも改善できるかと…
はっ、ナニ熱くなってるんでしょう…失礼しました。
これも貴公の情熱がなせる業でしょう。
今後も有用な記事で小職を啓蒙してください。
長文・乱文失礼いたしました。
以上、よろしくお願いいたします。
Posted by オヤジGUNオヤジGUN at 2012年08月13日 23:53
ぬお~~!
たくさんのコメントをいただき、感謝感激であります!!(感涙)

>鯖鯨さん

お褒めに預かり恐縮至極でございます・・・
って、えー! PMC出られないんですか!?
せっかくの才能がもったいない限りですが、お仕事では仕方ありませんよね(涙)
次のマッチに向けて、また一緒に練習しましょう!

>A.Z.D様

はじめまして!
コメントありがとうございます!!

そうですか、A.Z.DさんもUZIの魅力にとり憑かれてしまったクチなのですね。
スプリングの受けフックね、折れるんですよねぇアレ・・・

で、もちろんそのあたりの対策方法もバッチリあみ出しておりますので、
今後の展開にどうかご期待くださいませ。

希少なUZIブログの中でも、最強の情報量を目指して頑張って行きますので!!

>オヤジGUN様

毎度コメントありがとうございます!

オヤジGUN様には公私共にいつもお世話になっておりますれば、
朝晩の静岡方面への祈りは欠かさぬ毎日であります。

と、くだらない冗談はさておき(冗談かよ!)
机モーターの導入というのは盲点でありました。
中華ガンショップ店員のくせになんたることか・・・!!

でもあれ、モーターって、
単純にプラマイ逆に繋げば逆回転するものなんでしょうか?
マルイ電動UZIはモーターが逆回転仕様になってるんですよね・・。

ピストン強度の問題についても、まさに同感ではあるのですが、
ジュラルミン削り出し・・・ワンオフでいくらかかるのでしょうか(汗)

それと、パワーが上がらないもうひとつの原因が問題なのですが、
そのあたりについても今後の記事で掘り下げて行きますので、
どうか気長にお付き合いのほどをお願いいたしますです。

それにしても、オヤジGUN様のような文才が欲しいですねー。
バイオBB弾の話しには腸がよじれましたよ、いやホント・・・。

いつも欠かさず拝読しておりますので、
今後も何卒よろしくお願いいたします!
Posted by 出二夢カズヤ(でにむかずや)出二夢カズヤ(でにむかずや) at 2012年08月14日 02:20
出二夢カズヤ様
毎度お世話になります、オヤジGUNです。

こちらこそよろしくお願いいたします。
さて、モーターですが、プラマイ逆につなげればOKです。
パワーの件、そう簡単には行かないのでしょう。
言いたい事言ってしまいました…先走りです…
ともあれ、続編期待しております。

以上、よろしくお願いいたします。
Posted by オヤジGUNオヤジGUN at 2012年08月14日 20:20
頑張ってください!!
PMCはルール上、マッチプレッシャーがかなりかかる競技と認識しております。
チキンハートな自分が出場するにはかなり厳しい・・・
ウィークハンドでシュートは腕がプルプルしちゃいますよw
仕事でお店に行くことがあればまた寄せさせて頂きますね。
ではでは
Posted by ねこぢるしねこぢるし at 2012年08月14日 21:44
>オヤジGUN様

さっそくのコメントありがとうございます!

プラマイ逆接でオッケーなんですねー。
となると、うちで扱っている中華モーターで何とかなるかも・・・

まったく考えていなかったアイディアを頂戴いたしまして、
真にありがとうございます。

今後の記事にてレポートさせていただきますね!

>ねこぢるし様

おお~! コメントありがとうございます!!

マッチプレッシャーのかからない試合は
無いように思うのですが、
アンリミに出場されているねこぢるしさんが
チキンハートなわけないじゃないですか!

私は当面、PMCだけを頑張って行くつもりですので、
いつかご一緒出来る日を楽しみにしております。

店で公式ターゲットが撃てますので、
アキバ方面にお越しの際は是非お立ち寄りくださいね!
Posted by 出二夢カズヤ(でにむかずや)出二夢カズヤ(でにむかずや) at 2012年08月15日 10:43
お初です。
UZIの情報を探ってたらここにたどり着きました。

最近マルイのUZIが、いきなり動かないトラブルが発生したので、原因を探ったら、ノズルスプリングを引っ掛ける本体側の爪ような部分が折れてしまい、ギア下部から入り込んでしまったのです。
そのため、思い切って分解しようと思ってたところだったので、非常に助かりました。

UZIの魅力に気づいたのは今年に入ってからだったので、これからもっとこだわりたいと思っています。

またコメントするかもしれないので、その時はよろしくお願いします。
Posted by 砂鷲 at 2012年08月15日 18:35
>砂鷲様

はじめまして!
コメントありがとうございます!!
レスが遅れて大変失礼いたしました。

その後メカボの方はどうされたのでしょうか。
あのツメの折れは、パーツが手に入らない現在ではかなり致命的な故障なので、
分解はちょっとオススメしにくいところなのですが・・・

可能な限りのご協力はいたしますので、
よろしければその後の状況などお教えくださいませ。

しかし、UZIの魅力に気付かれたとは嬉しい限りですね~。
いや、私が作ったわけじゃありませんけどね(汗)

当ブログは今後ともUZIという銃にとことん拘って行きますので、
何卒よろしくお願いいたします!!
Posted by 出二夢カズヤ(でにむかずや)出二夢カズヤ(でにむかずや) at 2012年08月21日 01:01
>出二夢カズヤさん

あの後メカBOXは、思い切って分解し、無事に折れたツメを除去できました。
最初は分解・組み立ては怖いと思っていたので、このサイトのおかげでそれを克服できました。
それどころか、部品構成をある程度理解できたので、次にまた何かしらの故障をしてもきっと焦ることなく冷静に処置できると思います。
これも詳しく特集してくれた出二夢さんのおかげです。本当にありがとうございます。

さて、肝心の折れた部分については、色々と考えた結果、折れた部分に短いネジを通して引っ掛ける形にしています。
今のところ問題なく動作していますが、あくまでその場しのぎの応急処置程度と考えているので、これが正しいとは正直思えません(汗
それで、その使用したネジというのが、なんとミニ四駆に使うネジだったりするのですwww

これ、どう思われますか?
Posted by 砂鷲 at 2012年08月21日 01:28
>砂鷲様

さっそくのコメ返しありがとうございます!

分解組み立てについてはあえて触れなかったにも関わらず
元通り組んで使われているのは、
砂鷲さんのお力以外の何物でもありません。

あんなシールが貼られているのでビビッちゃうのですが、
開けてみれば意外と普通のメカボなんですよね。

で、折れた部分の対処についてですが、
ミニ四駆のM2ネジでの応急処置、正解ではないかと思います。

ただ、ご覧になっておわかりの通り、
あの部分のスプリングが非常に強いものなので、
いつまで持つか不安なところではありますよね。

内部構造の検証がひと通り終了したら、
そのあたりの対策方法をバッチリご紹介いたしますので、
気長にお付き合いいただければ幸いです~。
Posted by 出二夢カズヤ(でにむかずや)出二夢カズヤ(でにむかずや) at 2012年08月21日 02:37
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