アクセスカウンタ
プロフィール
カズヤ
カズヤ
その昔、某銃器専門月刊誌のライターと、某エアガン専門店での開発、販売を兼務。その後、某出版社に誘われ、エアガン関連ムックの編集に携わる。さらに後、某エアガンメーカーに誘われて入社と、80から90年代にかけて、エアガン業界にどっぷりつかった人生を送るが、ある理由により業界から撤退。
そして2012年、再び鉄砲業界に返り咲き、Gunsmith BATONに入社。充実した日々を過ごす中、2014年には人生初の渡米を果たし、憧れのイチローさんの下で、夢だった実弾射撃をついに体験! もはやこの人生に一片の悔いも無い、52歳の初老ガンマニア。

読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 25人
QRコード
QRCODE

2011年05月15日

マルシン電動UZIについて その12 分解編8

さてさて、分解編もいよいよ大詰め。
マルシン電動UZIの心臓部とも言える、
ギアボックスの働きをご紹介いたします。

まずは左右側面から見てみましょう。
UZIのグリップフレームに収納する都合から、
ギアボックスの全高が低く設計されていますね。

マルシン電動UZIについて その12 分解編8

マルシン電動UZIについて その12 分解編8

べベルギア、スパーギア、セクターギアによる
動力の伝達という、電動ガンとしてはお馴染みの構成ですが、
モーターが銃口側に設けられていることから、
ギアの配置が独特なものになっています。

長いプロペラシャフトが突き出しているのが、
マルイ製のメカボックスとは違った雰囲気ですね。

マルシン電動UZIについて その12 分解編8

ここで、この先を解説するに当たり、
パーツ名を便宜上決めさせていただきました。
下画像の呼称を前提に、読み進めていただければ幸いです。

マルシン電動UZIについて その12 分解編8

では、解説を続けましょう。

まずギアボックス左側面のネジを3本外して、
下画像のように開いてみました。
オークションで入手した中古品なので使用歴は不明ですが、
さほど酷くは汚れていませんね。

マルシン電動UZIについて その12 分解編8

下画像は、上で外したギアボックス左側面です。
軸受けは金属製で、シムの類は入っていませんでした。

マルシン電動UZIについて その12 分解編8

下は、セクターギアとスパーギア。

マルシン電動UZIについて その12 分解編8

マルシン電動UZIについて その12 分解編8

下画像は、上のふたつのギアを外した状態のギアボックスです。
青矢印で指しているのが、タペットプレートの基部。
緑矢印は、カットオフレバーの基部。
赤矢印は、セクターギアの逆転を防止するラッチです。

マルシン電動UZIについて その12 分解編8

ベベルギアを外すには、下で赤く画像加工した部分を
先に取り外す必要があります。

マルシン電動UZIについて その12 分解編8

下はギアボックス右側面。
スイッチレバーを外した状態の画像です。
画像中、赤矢印で指した穴から、
黄色く囲った部分に置いたピンを抜くことで、
画像中央のマイナスネジを外すことが出来ます。

このマイナスネジを外すことで、
先の赤い部分が取り外せるようになります。

マルシン電動UZIについて その12 分解編8

と、説明がまわりくどくなっているのは、
その赤い部分の画像を撮り忘れたためでして・・・
この部分、一度組んでしまうと
取り外すのが大変なので、何卒お許しくださいませ(汗)

話しを戻して、上で外した赤い部分には、
下画像のプロペラシャフトが刺さっていました。
このシャフトにピニオンギアが固定されているので、
ここを分解しないと、ベベルギアが取り出せないわけです。

マルシン電動UZIについて その12 分解編8

そして下が、取り外したベベルギアです。

マルシン電動UZIについて その12 分解編8

画像ではわかりにくいと思いますが、
ピニオンギアとベベルギアの歯に、
若干の痛みが見受けられますね。

何しろ、とうの昔に生産が止まっている製品ですから、
スペアパーツの入手もままならないのが現状です。

他社製の電動ガン用ギアが流用出来れば良いのですが、
ピストンストロークの短さから、
セクターギアの歯数が極端に少ないし、
それぞれの軸の長さを見ても、
既製品の流用は難しそうです。

ギアまわりが消耗品であるのは仕方無いので、
こまめなメンテナンスを心がけて、
出来るだけ寿命を延ばすよう、努力するしかありませんね。

さて、途中を随分省略しましたが、
ギアを含めたギアボックス内部の汚れを落とし、
軸受けにグリスを塗って、組み立て直しました。
組み立ての際、もっとも注意したいのが、
先にもあった、赤く画像加工した部分。

マルシン電動UZIについて その12 分解編8

この部分を固定するマイナスネジを、
かなりしっかりと締め付けた上で、
緩み止めの固定ピンを打ち込むことが重要です。

マルシン電動UZIについて その12 分解編8

何故この部分にだけ特殊なネジと、
緩み止めのピンまでが設けられているかと言うと、
この部分の締め付けがしっかりしていないと、
ピニオンギアとベベルギアの噛み合い部分に生じる負荷が
逃げ場を求めて、下画像のような状態を引き起こすのです。

マルシン電動UZIについて その12 分解編8

この際、ピニオンとべベルの両ギアは、
下のように歯がずれて噛み込み、ロックしています。

マルシン電動UZIについて その12 分解編8

案外、この状態で動作不能に陥っている
マルシン電動UZIが多いのではないでしょうか。

一旦この状態を引き起こしてしまうと、
ピニオンギアとベベルギアがそれぞれ削れてしまうため、
歯の噛み合いが滑りやすくなって、
同じ状態に陥りやすくなると考えられます。

この症状の対策として、下画像の赤丸の位置に
赤い部分のブロックを固定するための
イモネジを立ててみてはどうかと思うのですが、
これはいずれ別の機会にチャレンジしてみようと思います。

ちなみに、組み直したギアボックス。
レシーバーに組み込んでモーターと繋ぎ、動作検証したところ、
何の問題も無く、スムーズに動いてくれました。

次回は、ギアボックス各部の動きについて解説します。



同じカテゴリー(マルシン電動UZI)の記事画像
マルシン電動UZIについて その49 近代化編7
マルシン電動UZIについて その48 近代化編6
マルシン電動UZIについて その47 近代化編5
マルシン電動UZIについて その46 近代化編4
マルシン電動UZIについて その45 近代化編3
マルシン電動UZIについて その44 近代化編2
同じカテゴリー(マルシン電動UZI)の記事
 マルシン電動UZIについて その49 近代化編7 (2011-09-05 02:37)
 マルシン電動UZIについて その48 近代化編6 (2011-09-02 00:47)
 マルシン電動UZIについて その47 近代化編5 (2011-09-01 00:45)
 マルシン電動UZIについて その46 近代化編4 (2011-08-31 03:10)
 マルシン電動UZIについて その45 近代化編3 (2011-08-30 04:24)
 マルシン電動UZIについて その44 近代化編2 (2011-08-29 00:05)
この記事へのコメント
出二無様こんにちわ。
動かないまま戸棚にしまってあるマルシン電動UZIを復活させたいと思ってみたら、なんと現在進行形で分解記事が!早速有りがたーく参考にさせていただきます!!
私もアルミとノーマルなUZIを2丁持ちしています。当時からハイサイクルな撃ち味が大好きで、何10回とサバゲで使いました。
これからも記事楽しみにしています。
Posted by R100RS at 2011年05月17日 04:38
R100RS様

コメントありがとうございます!
アルミとノーマルを両方お持ちとは、
貴方もかなりのスキ物ですね!(笑)

当ブログは、R100RS様のような方のためにこそ
書き進めておりますので、参考にしていただければ、
これ以上の幸いはありません。

どうかお気に入りのマルシンUZIを蘇らせてあげてくださいませ。

ところでR100RS様は、もしやBMW乗りなのですか?
私、今は故あって降りていますが、
バイクはツインに限ると思っているクチだったりもしますです。
Posted by 出二無カズヤ出二無カズヤ at 2011年05月17日 20:54
マルシンUZIは発売当時から周囲では
イロモノ扱いされていた気がします。
多弾数マガジンも使いにくくて
ノーマルマガジン何本も抱えて
打ち合うスリルが忘れられません。

まずは納戸から出して分解の下準備を
始めてみました。
不器用なので心配ですが、頑張って
復活させてみます!

追記:バイクですが、出二無さまの
ご推察の通りでございます。
小遣いを貯めて去年乗り出しました。
不思議と4気筒より疲れない振動が
ツインの不思議な魅力だと思います。
Posted by R100RS at 2011年05月18日 04:14
R100RS様

ご返信ありがとうございます。

私は電動UZIで戦った経験が無いので、
R100RS様のお話しに興味津々です。

歴戦の相棒が復活出来るよう、
今後も出来る限りお役に立てる記事を書きたいと思います。

それと、やはりBMW R100RSオーナ0様ゆえのお名前だったのですね。

私はかつて、ヤマハのXZというVツインに乗っておりました。
トルク感と回転の伸びのバランスが良い
ツインエンジンは、理想の形式だと思いますねー。

R100RSは、縦置きクランクシャフトから来る
独特の乗り味が素晴らしいと聞きます。
さぞや楽しく走られていらっしゃることでしょうね。
なんとも羨ましい限りです。

しかし、UZIとツインバイクという
ふたつの趣味が合致するR100RS様
とは、
ちょっと他人の気がしませんね・・・(笑)
Posted by 出二無カズヤ出二無カズヤ at 2011年05月18日 20:16
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。