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カズヤ
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その昔、某銃器専門月刊誌のライターと、某エアガン専門店での開発、販売を兼務。その後、某出版社に誘われ、エアガン関連ムックの編集に携わる。さらに後、某エアガンメーカーに誘われて入社と、80から90年代にかけて、エアガン業界にどっぷりつかった人生を送るが、ある理由により業界から撤退。
そして2012年、再び鉄砲業界に返り咲き、Gunsmith BATONに入社。充実した日々を過ごす中、2014年には人生初の渡米を果たし、憧れのイチローさんの下で、夢だった実弾射撃をついに体験! もはやこの人生に一片の悔いも無い、52歳の初老ガンマニア。

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2012年01月16日

80年代トイガン業界裏話 その3

さてさて、今回こそはの完結編。
前置き無しでさっそく話しを進めましょう。

80年代トイガン業界裏話 その3

話しがさらに遡るのですが、
上の画像はざっと30年ほど前、
当時流行っていたS.F.P.D.のシャツに身を包み、
買ったばかりのマルシン製UZIをぶっ放す
おそらくは高校生だった頃の私の姿であります。

撮影したのは、たまにコメントしてくれる
地元の鉄砲仲間のだぶー君(だったよね?)。

ちょっと判り難いかと思いますが、
空中の2発に加えて右手に2発、顎のあたりに1発と、
合計5発のカートリッジが写りこんでいます。

80年代トイガン業界裏話 その3

なんだか心霊写真の強引な解説みたいですが(笑)
UZI本体をかなり左側に傾けて撃っているのは、
少しでもカートリッジを遠くに飛ばそうと
健気な努力をしているわけですね。

また、ノーマル状態のUZIは、
亜鉛の塊であるボルトの過剰な重さのため
1発撃つと2発撃ったような音がしたものでした。

コッキング位置から前進してカートリッジ内の
キャップ火薬が発火するのですが、
この時のボルトの激突音と発火音が混じって1回。
そしてブローバックしたボルトが
レシーバー内部の後ろ面に激突する音でもう1回。

これを擬音として表すと「バタコ!」といった感じでしょうか。
「バ」が発火音、「タ」がボルト後退時の激突音。
最後の「コ」は、ボルトがシアーにかかる音です。

明らかに2発分の音がしたのに、
カートリッジがポロリと1発だけ排莢される様は
ちょっとシュールな光景でしたね(笑)

フルオートで撃った時も、作動は快調なのですが、
「バタバタバタバタバタバタコ!!」これで6発。
何だか慌てたジャムおじさんみたいですが、
なんとも緩慢な作動でした。

しかし、重いボルトの作動が生み出す
全身が揺さぶられるようなリコイルと、
そのスローサイクルなフルオートは、
それはそれで最高に気に入ってましたけどね。

80年代トイガン業界裏話 その3
 上で撃っていたモデルガンのUZIです

ここで1985年に話しを戻して・・
締め切りを2日ほどオーバーして出来上がった
無発泡ウレタン製のボルトの複製品は
「ライトウェイトボルト」と名付けられ(そのまんまですが)、
リコイルスプリングの調製に手間取ったものの、
最後には見事なフルオート作動が成功しました。

80年代トイガン業界裏話 その3

上はコンバットマガジンの記事に掲載された写真。

切り抜きになっていて台無しではあるのですが(涙)
先にご覧いただいた30年前の写真と較べ、
カートリッジがより高く舞い上がっているのが
はっきり写っていますよね。

実際に撃った感じも「タタタタタタッ!!」と、
6回の撃発音でキッチリ6発のカートが飛び出し、
その勢いも飛距離もノーマルの数倍に達していました。

ボルトが軽くなったことにより
あの重々しいリコイルの迫力は薄れたものの、
カートリッジの変形という最大の弱点は見事に解消され、
ワンマガジン二十数発をジャム無しで一気に撃てるという、
まさにパーフェクトなUZIとしての完成を見ました。

80年代トイガン業界裏話 その3

後に第3回プラチナカップの会場で
このライトウェイトボルトの実演を行ったわけですが、
上の写真でもカートリッジが勢い良く蹴り出されているのが
おわかりいただけるかと思います。

実演本番でも見事快調に作動してくれたのですが、
さすがに覚えている方はもういないでしょうけどね~。

いわゆる大人の事情で提灯記事になることもあった
当時のテストレポートにおいて、
大好きなUZIのモデルガンを取り上げ、
何の制約もなしに作ることが出来たこの記事は、
実に思い出深い1本になっています。


そして、この記事を書いている2012年現在。

80年代トイガン業界裏話 その3

上画像は以前、マルシン電動UZIの記事で
比較用に撮影したモデルガンのUZIですが、
そのライトウェイトボルトがまだレシーバーに
納まっているのがおわかりいただけると思います。

徹底したメンテナンスのおかげで、
UZI本体のコンディションには何の問題もないのですが、
無発泡ウレタンという素材が経年劣化を起こし・・・

その姿はあまりに忍びないため
非公開とさせていただきますが、
かの伝説のライトウェイトボルトは、
レシーバーの中で無残に砕けておりました。

80年代トイガン業界裏話 その3

10年ほど前に実家で撮影した上の画像では
まだボルトが割れていないので、
ここから今年までの間のどこかで
人知れず崩壊していたわけですね・・・(涙)

ちなみに、昨日のコメントでT2氏が書いてくれた
「今の技術でもう一度作りたいか?」についてですが・・

「また作りたいし、もっと上手く作れる自信はあるけれど、
多分もう作ることは無いだろう・・」

というのが正直なところですね。

今ではシリコンの価格も当時の半分以下だし、
その手の特殊材料がネット通販等で簡単に
入手出来るようになりました。

80年代トイガン業界裏話 その3
 同種の物が当時のほぼ半額!

しかしそれとは逆に、肝心のモデルガンUZIのパーツ、
とりわけカートリッジの入手が困難になり、
そこらの空き地で火薬を使って気軽に撃つということも、
社会的に許されない状況となっています。

学校が終わって帰宅するなりモデルガンと火薬を引っ掴み、
近所の原っぱに集まってバンバン撃ちまくっていたあの時代・・
年寄りの常套句ではありますが、
「昔は良かった」そのひと言に尽きますよね。

以上、ライトウェイトボルト製作記事の裏話はこれにて終了。
ひさしぶりにUZIの話しをたっぷり書けて大満足です(笑)
アクセス数はあからさまに落ち込みそうですけどね(汗)

例の古本屋さんに注文したCM誌バックナンバーも、
先ほど入金確認と発送手続開始のメールが来ましたので、
2~3日中には手元に届くと思います。

中断していたエアガンシューティングとの因縁話しは、
当時の記事と自分の記憶を照らし合わせた上で
再開しようと思いますので、今しばらくお待ちくださいませ。

最後に昔話をもうひとつ。

この時の記事で、
ライトウェイトボルトのプレゼント企画を行い、
かなりの数のハガキをいただいたのですが、
手元にあるこの号に、下のハガキが挟まってました。

80年代トイガン業界裏話 その3

楽しいイラストと文章を書いてくれて、
是非ボルトをプレゼントしたかったのですが、
この人、自分の住所を書き忘れているんですよね~。
名前だけ明記されているところがまた何とも・・・(涙)

もうボルトを差し上げることは出来ませんが、
心当たりのある方がいらしたら、
是非名乗り出ていただきたいですね。

と、いつもの2回分ほどのボリュームになってしまいましたが、
皆様お楽しみいただけましたでしょうか。

次回の内容は今のところ未定です。
バックナンバー到着のタイミングによって、
因縁話を再開出来るか、業界裏話でお茶を濁すか・・(汗)

いずれにせよ、今の私はネタの宝庫ですので、
ちょっとだけ楽しみに次回をお待ちくださいませ!



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Posted by カズヤ at 21:48│Comments(5)業界裏話
この記事へのコメント
お邪魔します。シューターは仮の姿で実は重度のモデルガンヲタクの北山田です。
素晴らしい日記を繰り返し拝読させて頂いてます。
切り口が定型化してマンネリになりがちなトイガンレポートという分野において、当時のCOMBAT誌のクリーンヒッター理論やテーパードバレル、そしてこのライトウエイトボルトといった斬新な記事は、まさに革命的だったと思います。物理を勉強していてもこういうアイデアが出ない自分の思考の硬さを思い知りました。
さてモデルガンの殿堂入り間違いない名作のマルシンUZIですが、その後キット化と同時にグリップフレームがABSに変更されてしまい、金属製だった頃と同じ強烈なマガジンキャッチスプリングのおかげでバキバキ破損、発火を楽しみたくても現状維持すら困難なモデルになってしまいました。今でもワタシの心の「いつか手に入れてやるリスト」にUZIの金属フレームが入ってます(笑)。
マルシンUZI用のプラグファイヤーカートは確かハイパワーやS&W M39と共用で、後にMGCのCPリアルサイズカートが出るまで、閉鎖系カートの9mmパラのスタンダードに成り得る優秀かつ高性能なものだったと思うのですが、マルシンが世に認められたのは擬似ショートリコイルを再現したワルサーP38で、皮肉なことにP38用カートは380サイズのハンパなものだったというのが、マルシンファンだったワタシは悲しかったことを思い出しました。
どんな種類のハナシでも結構ですから、昔話シリーズの継続をぜひお願いします!
Posted by 北山田 at 2012年01月16日 22:32
上の写真を撮影したとされるだぶーです。
すんません。
f^_^;)
おぼえてません。
~(・・?))
でも、SFPDのシャツは憶えてます。
おいらはNYPDのシャツだったよね。
(>_<)
買ったのは今はなき渋谷のJ○Cだっけ?
)^o^(
モデルガンの撮影また、やりたいね。
\(^o^)/
Posted by だぶー at 2012年01月16日 23:31
>北山田様

毎度ご丁寧なコメントをありがとうございます!
その節はお騒がせしまして大変申し訳ございませんでした。
こんな年寄りの昔話をお楽しみいただけて何よりです。

確かに当時のコンバットマガジンは
野心的な企画が盛りだくさんでしたが、
作っている本人たちは、やりたいことを
好き勝手にやらせてもらっているような感覚で、
苦しみながらも楽しんでいたものでした。

その後、各メーカーから矢継ぎ早に
新製品が発売されるようになり、
編集方針が徐々に変わって行ったのですが・・
そのあたりもいずれ書いてみましょうかね。

「重度のモデルガンヲタク」というなら
私もヒケを取らない自信(?)がありますが、
身体を壊して職を失った際、
生活のために貴重なコレクションのほとんどを
手放してしまったこともあり、
あまり良い記事は書けないかもしれません(涙)

木スト付きの初期型UZIを売らざるを得なかったのは
今もって痛恨の極み・・・
それでもこれだけは! と、PFC方式の全金属UZIは
持ち続けているんですけどね(笑)

PFカートが登場した時の衝撃は
今もって忘れられないものがありますが、
そのあたりはいずれお会いした時に語り合いたいですね。

ともあれ、今回の記事もご好評いただけるようであれば、
今後も昔の話しシリーズを書いて行こうと思いますので、
お付き合いの程、何卒よろしくお願いいたします!

>だぶー君

うむ、覚えてなくて当然でしょう(笑)

ちなみに、あのポリスシャツを買ったのは
中田商店だったと思うな。
○ACで本物を買ったのはYちゃんだね。
彼はほら、親の金をゴニョゴニョ・・(汗)

今度はどこか屋外でタクトレ風の動画でも撮りましょう!
Posted by 出二夢カズヤ(でにむかずや)出二夢カズヤ(でにむかずや) at 2012年01月17日 00:41
…私が小学生の頃、いわゆるエアガンが爆発的に流行りまして。ゴーグルなどもせずに友達と撃ち合って遊んでましたね…
色々と今では考えられないなんともユルい時代でしたよね(笑)
やがてお年玉でフルオートガスガンを買ったりするんですが、結局子供の小遣いでは維持出来ないんですね…
玉は安いのを買ったり拾って集めたりするんですが、なんせガスやらシリコンオイルやら…
「欲しい」「遊ぶ」か気持ちだけが先走って、継続していく為の経費なんかに想像力が行き届かないんですよね(笑)
やがて思春期に迎えるにつれ、こよなく愛したガンプラ、エアガン、ラジコンなどとも次第に遠ざかるのですが。
でも、あくまで「封印」しただけで火は燻っていたわけです…。大人になった今だからこそ!心行くまで自分を解放してゆく所存です(*^^*)

唐突にお邪魔し長々と申し訳ありませんm(__)m
これからも宜しくお願い申し上げますm(__)m
Posted by tkak at 2013年12月21日 02:48
>tkak様

毎度コメントありがとうございます!

お年玉でフルオートガスガンを買ってらしたということは、昭和50年代のお生まれでしょうか?

私の子供の頃と言うと、つづみ弾を使用する空気銃(エアガンなどという言葉はなかったような)しかありませんでしたからね~(汗)

私も一時は鉄砲から離れていた身でございますので、tkakさんのお気持ちはよっく理解出来るつもりです。

甲斐性なしの妻帯者故、心行くまでとはまいりませんが(涙)お互いに自分を解き放って行こうではありませんか!

今後とも、末永くよろしくお願いいたします!!
Posted by 出二夢カズヤ(でにむかずや)出二夢カズヤ(でにむかずや) at 2013年12月24日 01:58
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