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カズヤ
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その昔、某銃器専門月刊誌のライターと、某エアガン専門店での開発、販売を兼務。その後、某出版社に誘われ、エアガン関連ムックの編集に携わる。さらに後、某エアガンメーカーに誘われて入社と、80から90年代にかけて、エアガン業界にどっぷりつかった人生を送るが、ある理由により業界から撤退。
そして2012年、再び鉄砲業界に返り咲き、Gunsmith BATONに入社。充実した日々を過ごす中、2014年には人生初の渡米を果たし、憧れのイチローさんの下で、夢だった実弾射撃をついに体験! もはやこの人生に一片の悔いも無い、52歳の初老ガンマニア。

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Posted by ミリタリーブログ at

2011年09月14日

マルシン電動UZIについて その52 内部カスタム3

さて今回は、チェンバーまわりの構造を徹底的に検証します。

ちょっと間が開いてしまいましたが、
ムービーメーカーの使い方を勉強したり
下に出て来るイラストを起こしたりと、
その分充実した内容になっていると思いますので、
何卒ご容赦のほどを・・・。

インナーバレルユニットの取り外しについては
「分解編4」をご覧いただくとして、
ここから先の解説にあたり、便宜上それぞれのパーツを
下画像のように呼称いたします。





どのパーツがどんな役割を果たしているか
大体のところはご理解いただけると思いますが、
一般的なマルイ電動ガンタイプと決定的に異なっているのが、
チェンバー内でのBB弾の保持方法なのです。

まずは下の動画をご覧ください。



ご覧いただいたようにホップ調節ネジをゆるめた状態で給弾ノズルを押し込むと、
BB弾はインナーバレル先端からそのまま転がり出してしまいます。

一般的なエアーガンの場合、発射サイクルのある時点で
給弾ノズルに押されたBB弾をチェンバーパッキンが保持するのですが、
上の動画でわかるように、マルシン電動UZIは
ちょっと変わった構造を採っていました。

下画像はチェンバー内部の状態をイラストにしたものです。
一応、原寸と同比率で描いてあります。



上は給弾ノズルが下がりきった状態。
給弾用のパイプスプリングを通って来たBB弾が、
常に1発チェンバーブロックに納まっています。

下は発射サイクルが開始され、
給弾ノズルが前進しきっって、後退したピストンが
セクターギアから開放される直前の状態です。

この時のチェンバーパッキン部分を拡大してみると



上のように、BB弾はチェンバーパッキンを離れ、
インナーバレルの中に「ただあるだけ」の状態になっています。

つまり、マルシン電動UZIのチェンバーパッキンは
一般的なエアーガンで言うところのそれでは無く、
前進した給弾ノズルとインナーバレルの気密を保つためのパッキンだったのです。

これは分解したチェンバー周りのパーツを採寸して
イラストを起こしているうちに解ったことで、
だったらこうなるはずだと考えて実験したのが、
先にご覧いただいた動画の内容でした。

下のイラストのように、チェンバーパッキンを通り越して
自由に転がる状態になったBB弾は、
インナーバレル後端から21mm先の上方に突き出している
ホップ用ラバーによりブレーキがかかって
食い止められている状態です。



先の動画で、ホップ調節ネジをゆるめた後で
BB弾が転がり落ちていたのは、この構造が故の現象だったわけですね。

そして給弾ノズルから噴出した空気で押し出されたBB弾は、
ホップ用ラバーに引っかかる形で上方向へのスピンを加えられ、
射出されるというわけです。

この一連のサイクルにおいて、
BB弾がチェンバーパッキンより前に押し出されてから
ピストンが前進するまでのタイムラグがどの程度あるのか、
他に例を見ない構造なだけに、大変興味深いところですよね。

なんとか解明出来ないものですかね~。
高速度撮影が出来るカメラがあったら調べられるかな??
これも今後の課題として、あれこれ考えてみますね。

と、ちょっと話が逸れましたが、マルシンオリジナルの
「可変スーパーソニックバレル(以下SSB)」という名前は、
この独特の構造を持つバレルを指していたわけですね。

ざっと調べるとマルシン製のガス/エアーガンには
このバレルを搭載した機種がけっこう存在しているようですが、
そのすべてがこのUZIと同じ構造なのでしょうか。

チェンバーパッキンによって保持された状態で、
ある程度の「ため」を作ってから射出される
一般的なエアーガンに較べると、
ホップ用ラバーにひっかかっただけの状態から
ストレートに押し出されるSSB方式は、
飛距離や初速等において不利なように思えますよね。



実際、先の動画のようにホップ調整ネジを
最大限ゆるめた状態で実射すると、
BB弾は10メートルも直進せずに落下して行く有様です。

では、適正なホップアップ調整を行うとどうなるのか。

私の住む団地の裏手にある、およそ50メートル先の雑木林に向けて
0.2gBB弾に適正ホップをかけて射ち出すと
素直な弾道を描いて、雑木林の中にスーッと消えて行くのです。

実際にどこまで届いているかは確認出来ませんが、
実測出来ている30メートル地点を
フラットな弾道のまま越えて行くのは間違い無いので、
最低でも40メートルは直進していると考えて良いでしょう。

先に図解したような、言ってみればルーズな構造からは
ちょっと想像し難い、伸びのある素直な弾道を描くのです。

下の画像はホップ用ラバー裏側に突き出した、
上で言う「BB弾を引っかけて」いる部分です。



ちょっとわかり難い画像でごめんなさい。

この突起はインナーバレルに開けられた丸穴
(下画像赤丸部分)にピッタリ収まるサイズで、
下のイラストのような形状になっています。





あくまで推論ではありますが、
この突起がいわゆるところの「面ホップ」や
「長がけホップ」の効果を生み出すことにより、
従来型のチェンバーパッキンと同等以上の飛距離を
実現しているのではないでしょうか。

と、当初まったく想定していなかった方向に話が走り始めましたが、
ホップ用ラバーについて、次回もう少し掘り下げてみる予定です。  

Posted by カズヤ at 19:32Comments(4)性能、検証